会長挨拶
2026年6月
この度、一般社団法人日本流動食協会の新会長(代表理事)に選任頂きました市川でございます。
現在、流動食を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。インフレによる原材料・人件費の高騰に加え、円安や中東情勢の影響も重なっています。一方で、医療機関は厳しい財政環境にあり、流動食の十分な価値評価につながりにくい状況にあります。その結果、市場の成長性や収益性は低く、企業による積極的な投資は難しい状況です。投資の停滞は、新たな製品やサービスの創出を妨げ、患者さんや医療従事者に不利益をもたらす可能性があります。さらには、安定供給など持続可能性への影響も懸念されます。
こうした状況を乗り越えるため、従来の「流動食はコスト」という考え方から脱却し、「流動食は価値を生む」という認識に転換させていきたいと考えています。適切で積極的な栄養管理は、医療や介護の質を高める重要な役割を担っています。例えば、回復期リハビリテーションにおいては、栄養状態の改善によりアウトカムの向上が期待されます。また、在宅高齢者に対する積極的な栄養ケアは、日常生活動作(ADL)の維持や再入院率の低減につながり、結果として医療資源の効率的活用や負担軽減といった社会的価値の創出にも寄与します。
流動食は単なる「食事」ではなく、医療・介護を支え、患者さんの尊厳と生活を守る社会基盤です。当協会は、関係するすべてのステークホルダーと連携しながら、その持続可能な発展と安定供給の確立に全力を尽くしてまいります。引き続き、皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
<ビジョン>
栄養療法と低栄養撲滅への貢献を基盤として、食品流動食が社会において適切に評価され、持続的に提供できる環境を強化する
<3つの重点戦略>
1)病院・施設における貢献の強化
流動食の使用機会増加、入院時食事療養費の増額、栄養療法に対する診療報酬による評価の推進など
2)在宅栄養ケアにおける貢献の強化
食品流動食の認知向上、食品流動食がより活用される医療・介護体制の整備、利用者負担の公的軽減に向けた環境整備、特別用途食品の普及・啓発・活用の促進など
3)食品流動食ビジネスの持続可能性の向上
インフレ下でも持続可能な事業基盤の確立、製品価値に応じた評価が得られる環境の構築、業界をリードできる人材の育成、流動食協会のプレゼンス向上
一般社団法人 日本流動食協会
会長(代表理事) 市川 正樹