2019年度事業計画


自 2019年4月 1日
至 2020年3月31日

 平成から令和へ元号が変わる大きな節目となる年となります。平成最後の年は、当協会にとりましては、特別用途食品制度の見直しという意味では、まさに節目となる年となりました。長年にわたり、検討してまいりました「総合栄養食品の規格の見直し」等に目途がたちました。入院時食事療養費につきましては、2018年の改訂では幸い据え置きとなり、一旦落ち着いたように感じております。コネクターのISO化の導入につきましては、そろそろ動きが活発化してきており、当協会のHP上でも情報提供が始まりました。
 消費者庁も厚労省も栄養の重要性へ活動がシフトしつつある中で、特別用途食品は、在宅患者様を中心にその重要性が増してくることが期待されます。
 一方では、昨年度末には、さらに1社が流動食事業から撤退するということもあり、日本における流動食業界は、その重要性とは裏腹に厳しい環境に置かれておりますことには変わりございません。
このような状況の下、昨年度は、以下の5つの点を重点的に活動しました。

1)診療報酬の改訂の案件につきましては、早くも2020年の改訂にむけて、厚労省保険局、(公社)日本栄養士会と直接会話し、当協会の置かれている状況の説明を丁寧に行ってきました。

2)総合栄養食品の規格見直しにつきましては、消費者庁におきまして、2018年11月9日に検討委員会が開催されました。その後も細部につきまして消費者庁と調整を行い続け、2019年度中には、新たな制度の方向性が提示される予定です。

3)「食品添加物の認可申請」(グルコン酸銅、ビオチンの使用拡大)につきましては、膨大な量の文献検索とその読破が必要となったため、会員メンバーだけでは困難であると判断し、外部の機関(バイオヘルスリサーチ社)に業務委託することにより、FADCCとのドラフトの確認を加速しました

4)コネクターのISO化導入につきましては、デバイスメーカー団体であるMT-JapanとJSPEN、厚労省との情報交換を継続し、スムーズに現場に落とし込めるよう情報提供をHP上で開始し始めました。

5)半固形栄養経管栄養法指導管理料が2018年度の保険適用となりましたが、厚労省より食
品の半固形品についても適用する方向が示され、JSPEN保険委員会と連携をとりながら、その規格等について審議を行ってまいりました。現場での適用につきましては、あくまで厚労省の管轄下で行われており、現段階では、大きな問題は起きておりません。

6)最後に、流食協の中長期計画につきましては、将来に向かって3段階(病院→在宅→海外)で拡大していくという方向性を作成しております。昨年度は、在宅の対象者に向けての、経口摂取の流動食市場の拡大という新たなテーマにつきまして、対象者やその規格等につきまして、議論をする予定でしたが、総合栄養食品の議論を優先したために、残念ながら、あまり進捗しませんでした。今期のテーマとして、議論を進める予定にしております。

上記5点の活動は、これまで通り、特に一部の企業の方々、一部の方には大変なご負担をかけており、その結果して得られた成果も多数ございます。紙面上ではありますが、深く感謝させていただきます。

2019年度は、2018年度の重点テーマを、粛々と進めつつも、新たな活動を開始する年になりそうです。限られた労力の中で、継続的に活動を行っていくために、2018年度は、外部機関の活用に踏み切らせていただきました。今後も、多くの会員の方々のご協力をいただきつつも、引き続き、専門性の高い外部の機関、人財の活用を行っていく方向で考えております。上記の内容とこれまでの基本方針に基づき、今年度は大きく4つの重点活動を行います。

一点目は、特活研の活動としての「総合栄養食品の新規格」につきましては、消費者庁からの通知を待って、各社の申請への動きを促進していきたいと思います。一方、個別案件としての「食品添加物の認可申請」につきましても、グルコン酸銅、ビオチンの申請書のFADCCでの確認を終了し、厚労省に申請を行います。2019年度中には、新しい総合栄養食品の規格として運用ができるところまで持っていくことを目指します。

二点目は、2022年の診療報酬の改訂対応につきましては、外部環境の変化を見定めながら、厚生労働省や日本栄養士会等関連団体との連携を継続して行い、適切な対応を行っていきます。

三点目は、中期長期的な計画につきましては、その骨子はある程度、協会内および外部の有識者の理解を得たと考えております。しかしながら、その計画をいかにして、実現していくかにつきましては、まだまだ、検討が十分とは言えません。今後、医療費がさらに厳しくなり、病床数が減っていく環境下では、病院向けの市場は横ばいが続くと思われます。これからは、在宅の患者様への貢献と業界団体の発展が両立できるような計画づくりを継続していきます。そのうえで、消費者庁とは、流動食協会の中期計画に基づき、「在宅栄養管理向けの経口流動食の新しい区分案」の議論を進めていきます。

 最後に四点目として、「ISO化アダプターの医療現場への導入対応」を今年度の重点活動にあげます。昨年度に、厚生労働省から具体的な方向性、スケジュールが発出されており、半固形品の切り替え品の発売時期が2020年秋頃となりました。一方、デバイスメーカーの変更は来年度にも始まります。特に変換コネクターの供給対応につきましては、デバイスメーカー団体およびお客様と丁寧な協議と説明を行うことによるソフトランディングすることが必須です。これに対する対応を着実に行います。

 また、上記重点活動以外にも「広報活動のさらなる進化、継続」、「新規会員の募集」などの地道な活動につきましては、会員一同の活動として、行っていきます。

 いずれの活動にも各委員長の強力なリーダーシップのもと進めてまいります。調査、解析、官公庁との交渉、それに付随する資料の作成、他団体との連携など多くの業務が必要となってきており、昨年度からは外部機関の活用も始めております。どうか、会員皆様のこれまで以上のご協力をぜひ、お願いしたいと思います。

基本方針
(1)「総合栄養食品」の制度を見直し、業界の発展(在宅市場規模の拡大)につなげる。
(2)お客様、特に将来増えるであろう在宅医療現場の方々のための活動を推進する。
   (HPの継続的改訂、総合栄養食品の普及啓発活動など)
(3)「濃厚流動食」を取り巻く各種課題(ISO導入、金銭的負担軽減)の解決に努める。

(2019年度方針)

●技術委員会 (委員長:有泉 剛)
(1)活動方針
流動食の拡大に向けた許可基準見直し、医療政策及び規制導入における技術的な課題に対応する委員会
(2)2019年度の活動テーマ
  ①食品添加物(グルコン酸銅・ビオチン)の使用基準拡大に向けた取り組み
   -許可基準拡大の為の要請対応
  ②相互接続防止コネクタ(国際規格ISO80369-3)の導入迄の技術課題への対応
   -円滑な導入の為の技術的サポート(制度委員会と連携)
  ③在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料施行(2018年4月1日)後の検討
   -半固形栄養剤 特別用途 等

●制度委員会 (委員長:相原健司)
(1) 活動方針
濃厚流動食にかかわる制度上の課題を抽出し、実態に即した円滑で健全な事業活動が可能な環境整備を具体的かつ強力に推進する。
(2) 令和元年度の活動テーマ
1)「特別用途食品制度の活用に関する研究会(第6期)」への参画
  総合栄養食品 通知発出
  高齢者低栄養食品 許可区分追加の提案
2)栄養コネクターの国際規格に関する対応
3)在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料に関する対応

●広報委員会(委員長:原 浩祐 理事)
(1)活動方針
日本流動食協会の認知度の向上だけでなく、協会から発信する情報(行政通知、関連団体の動向情報等)をタイムリーに提供できる組織を構築し、行政機関や濃厚流動食品を利用している医療機関関係者に対し、当協会及び濃厚流動食品の一層の理解を促すことを目的に、ホームページ等で啓発活動を行っていく。
(2)2019年度の活動テーマ
  ①アンケート調査結果よりホームページの改定を実施する
  ②2019年度の濃厚流動食品事業規模を算定し、ホームページ上で情報提供する
  ③啓発活動の一環として以下の学会・研究会にて展示等を行う
  ・第35回 日本静脈経腸栄養学会にて展示・アンケート調査
  ・第6回 日本栄養材形状機能研究会シンポジウム共催
  ④当協会及び濃厚流動食に関わる情報、医療業界、行政の公開情報の取得に努め、ホームページ上でタイムリーに関連情報を提供する
  ⑤ 関連する行政機関、業界団体および技術委員会、制度委員会と連携を図り、重要案件の共有化を継続的に行う。

●保険委員会(委員長:可児 勝理事)
1)目標
2020年度診療報酬改定において、流動食のみ提供の場合の入院時食事療養費の現状維持を獲得する。
2)手段
・厚生労働省との定期面談により、情報交換を密に行うことでリスク回避に努める
・日本栄養士会との定期面談により、共闘体制強化に努める

以上

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